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転職活動手順

IT上流工程転職ならではの情報収集

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IT上流工程の情報収集

IT上流工程を目指す転職では、情報収集にも工夫が必要です。
 
未経験領域を目指すときは圧倒的に情報が不足しています。特にIT業界は、企業の実態が分かりにくく、ブラック企業も多く潜んでいます。

私も数々失敗しながら、人からノウハウを学び、見極めるポイントを養ってきました。企業採用側の立場になったこともあるため、求人票の注意点や、転職エージェントとの付き合い方も今ならよく分かります。

私の実体験も交えながら転職のポイントをお話していきます。

IT上流工程転職の情報収集

転職には様々なポイントがあります。自己分析、職務経歴書の作成、ライフプランの検討、など。

しかし上流工程を目指す際は、情報収集を重視すべきです。求人情報だけでなく、企業概要、口コミ、上流工程SEの仕事内容などを徹底して調べることです。

前回お伝えした正しい転職手順でいくと、「情報収集」にあたります。

まず動き出す→情報収集→自己分析→再び情報収集→履歴書・職務経歴書作成→応募→書類選考・面接→内定・入社

経験のある領域に転職するときは、求人する企業の内容、どのような仕事内容かなど、ある程度理解できています。一方、未経験領域は、知っている人であれば当たり前のことでも、何も知らずに転職活動をして後で後悔することがあります。

そしてIT業界は、多重下請け構造や派遣常駐、小売などと違い一般人の目に触れにくい、一エンジニアが起業しやすいが故に企業の体を成していないことも多い、など様々な問題を抱えています。外から見ても実態が掴みにくい業界です。

上流工程に携われると思い転職した会社が、下請けの詳細設計以降しかしていなかった、という話は残念ながらよく聞きます。私も最初の転職時、求人票の「上流工程に携われる機会あり!」という言葉を信じ、面接時に愕然とした経験があります。

「上流工程に携われる機会あり」という言葉ですが、機会あり、なので嘘は言っていません。機会が来るか来ないか、そういった未来のことは誰も保証できないからです。騙しに近いですが、法的には残念ながら違法ではありません。
 
同じように求人票によくある「幹部候補」という言葉も、実際に入社したら平社員で、10年たっても平社員のままということがよくあります。候補という言葉も未来のことで、最初から幹部にする気がなくとも「候補者として検討したが幹部には採用しなかった」と言われればそれまでです。
 
自己分析をしてキャリアプランを考えることも重要です。しかしどれだけ自身を深く理解しても、求人票や企業を見誤り、ブラック企業や、上流工程を目指せない会社に入社すれば目も当てられません。

アメリカや外資系企業であれば、すぐにその会社を辞めて再転職になるかもしれません。しかし転職回数が増えれば増えるほど、日本の企業では不利になります。

半年くらいで転職を繰り返す人を「ジョブホッパー」と呼びますが、よほど明確なキャリアプランに基づいていないかぎり、ジョブホッパーは企業に敬遠されます。

上流工程という未経験領域を目指す人は、まず正しく情報収集し内容を見極めることが重要です。

その第一歩は求人票の見方となります。

求人票の見方

 
求人票の見方にもポイントがあります。

上流工程を目指す人は、給料のみではなく、他にも見るべき箇所がいろいろあります。

仕事内容と必須・歓迎要件

仕事内容と必須・歓迎要件ですが、最初に情報収集するときに大切なことは「広く浅く」確認することです。

できるだけ多くの求人票の仕事内容を見るのですが、ここでは流し読みする程度に留めます。

なぜかというと、最初から選択肢を狭めると自身に本当に向く仕事を見失うことと、企業がどのような人材を求めているかニーズや流行りを確認することが重要となるからです。

特に、今の流行り(Java経験のある人を求めているなど)は転職しやすさや給料アップに直結します。流行りを把握すると、職務経歴書や面接時にアピールする内容も柔軟に変えることができます。多くの企業が求めるスキルがあれば年収200万円以上アップも現実的に可能です。

逆に、求人票で一切触れられていないことを職務経歴書でアピールしても、良い転職先には出会えません。優れたスキルがあっても転職活動で必ずしも評価されるとは限らないのです。

※優れたスキルがあれば記載はすべきです。もし企業ニーズと合わなくとも、一定のスキルがあれば、未経験領域でも努力・成長していけると評価されることも多いためです。ただしプログラマー経験者などに多いのですが、自身のスキルばかりをアピールして企業から敬遠されることもあるため、世の中で何が求められているかは理解する必要があります。

今、どのような波が来ているか把握するため、最初は広く浅く仕事内容を確認します。

流し読みする際ですが、多くの企業に共通する「キーワード」をできればメモしてください。キーワードとは、Java、システム開発3年以上の経験、などの単語を指します。

その中でも上流工程につながりそうなキーワードは赤ペンなどで強調します。例えば、要件定義から携わる、直案件のみ、人事システム経験者、など。

求人票をいくつか見ていくと、どの企業にも共通するキーワードが多いことに気づくと思います。

最初の段階では「広く浅く」見るのみですが、これらのキーワードを職務経歴書に盛り込めば、企業の目に止まる可能性は高くなります。

もし経験がないことばかりとしても、上流工程につながりそうな赤色キーワードをいくつか記載しながら、今後これらの能力を身につけるため○○をしていきます、あるいは△△に取り組み始めました、とアピールします。そうすると、今はスキルがなくとも、育成・成長して将来活躍すると判断されるようになります。

※最初の情報収集段階では、まだ職務経歴書は作成しません(最初に作成すると失敗しやすいため)。そのあたりは次回以降に説明します。

雇用形態

雇用形態は、正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、業務委託などを指します。

上流工程を目指す人は、「正社員」の求人のみ目を通してください。なぜなら、日本企業では正社員以外で上流工程に携われることが少ないためです。

契約社員は期間を決めて契約(雇用)されます。海外では高給かつ重要な仕事を任せることがありますが、日本では正社員の下で働くという意識が強く、上流工程への関わりが限定されやすくなります。

IT業界では派遣社員も一般的ですが、技術面中心の関わりになりがちです。派遣社員を雇用しているのは派遣会社のため、勤務期間も短くなりがちなこと、自社の社員でないことから上流工程のコアな部分にはあまりタッチできません。ただしIT業界の場合、時給4000円を超える派遣社員も存在し、スーパープログラマーとして活躍する人も多くいます。人によっては、正社員以上に上流工程に関わることも時折あります。

業務委託は、正社員や契約社員とはまったく違う形態です。雇用というより、会社と個人が契約を結び、請負のように仕事をします。そのため社会保険等も自分で手続きする必要があり、個人事業主のような立場となります。会社が雇用している人ではなく、上流工程への関わりはどうしても限定的になりがちです(派遣社員と同じく、優秀な人は上流工程に深く関わることもあります。ただしそのような人は上流工程に熟練しており、未経験者が業務委託で携われることはほぼありません)。

上流工程をこれから目指す人は、上流工程に最も関わりやすく、かつその後のキャリアプランにも有利に働く正社員求人を探すことをお勧めします。

就業場所

上流工程を目指す場合、就業場所もよく確認する必要があります。

まず、下請けや常駐派遣の会社は、就業場所に「クライアント先に準じる」や「派遣先による」などと書いていることがあります。また「東京23区およびその近郊」などの曖昧な表現もよく見かけます。

本社と、実際の勤務地を分けて書いていることもありますので、自身が実際に働く場所を確認します。

※ただしITコンサルタントやERPコンサルタントなども、「クライアント先に準じる」や「全国勤務の可能性あり」と書いてあることがあります。これはITコンサルタントの場合、顧客となる企業次第で全国どこへでも行くことがあるためです。プライベートや家庭を重視したい方は、「勤務地限定」や「本社勤務」などと書かれたコンサルティング会社・SIerを探しましょう。

また、「転居を伴う転勤なし」と書かれていることがありますが、これは要注意です。転勤なしとありますが、上流工程に携わる人は、住まいの移動がないだけで、1年間ホテル・ウィークリーマンション暮らしを強いられることもあります。つまりシステム導入をする企業の場所次第で、全国どこへでも長期間出張する可能性があるのです。

上流工程SEやITコンサルタントは、数ヶ月の長期出張が頻繁に発生する会社もあります。それらを好まない場合、社内SE・自社開発エンジニアなど本社勤務限定になりやすい職種か、自分の住まいの近くに顧客が集中している会社、あるいはWeb系の上流工程SE・ITコンサルタントを狙ってください。

通販などのWeb系は、東京・大阪など大都市圏に顧客が多く、近郊に住んでいる人にとって出張を少なくできます。仮に遠方に出張となっても、1案件ごとの導入期間が短く、数ヶ月長期出張ということはあまり発生しません。これが製造業向けシステムなどの場合、工場がある地方への出張が多くなってしまいます。

設立年数・従業員数・資本金

見落としがちな項目が、設立年数・従業員数・資本金です。

設立年数が短い場合、企業としての体力・安定度は一般的に低くなります。上流工程の教育体制なども含め整っていない可能性があります。

Web系では設立年数が短くとも、革新的な技術や考え方で業績を伸ばしていることもあります。設立年数が長くとも、下請けや常駐派遣のみしている会社も数多くあります。設立年数のみで判断は危険ですが、年数が短いときは特に注意深く情報収集するようにしてください。

従業員数は、一般的には多いほうが良いとされます。上流工程を目指すうえでも間違いではありませんが、設立年数が短いにも関わらず従業員数が多い場合、大量採用をしている可能性があります。

ブラック企業によくありますが、大量採用して1年以内に半分以上が辞める、というところも存在します。このような企業では、教育をする、人材を育てるという気がありません。元請け会社などに常駐させ、毎月安定したお金を得るためだけに採用する悪質な会社も多くいます。

私が最初に働いた下請け(孫請け)会社も、未経験の人を大量に雇って、「経験3年です」と嘘をついて元請け会社に常駐・毎月お金を受け取っていました。会社退職後にそのことを知った時はショックでしたが、これはIT業界全体に蔓延する現実です。

設立年数・従業員数と合わせて、資本金も目を通してください。資本金というのは、個人でいう「貯金」のようなもので、会社の蓄えです(厳密には違いますが、ここでは分かりやすさ重視で説明したいと思います)。

資本金が1億円以上あればそれなりの貯金となります。少なくとも1000万円以上あれば、最低限のラインはクリアしています。もし1000万円未満であれば、個人レベルの会社の可能性があるため注意が必要です。IT業界には零細企業が多く、下請け会社が倒産することや、業績が悪くなって賞与が0円になる会社が後を立ちません。

資本金のみで確実な判断はできませんが、資本金(貯金)が少ない会社は不安定であることは覚えておいてください。

試用期間

正社員求人の場合、入社後に試用期間を設けることは一般的です。通常、入社後3ヶ月間くらいが設定されます。

注意すべきが、試用期間1年などと長い期間が時折あることです。私の知り合いがこの企業に転職しましたが、1年後、正社員に正式採用されず、契約社員となってしまいました。おそらくですが最初から契約社員にするつもりで採用し、1年間という長い期間を設定、その期間に何かミスや問題があれば採用しない、という悪質なケースと思います。

また試用期間中は、待遇を正社員と変えている会社もあります。社会保険に加入しないケースが時折あり、この時期に病気にかかると費用が高くつきます。賞与の対象期間に入れない会社も存在します。

試用期間中の待遇を変えている会社は、短期間で辞める人が多い、正社員として正式採用する気がない、ということもあります。求人票に明記されていないときは、転職エージェント等から情報収集するか、面接・内定時にきちんと確認すべきです(言った言わないにならないよう書面で受け取ること)。

給与

給与についても見るべきポイントがあります。

まず気をつけるのは残業代の扱いです。「固定残業代」や「みなし労働時間制」、「管理者扱いのため残業代なし」に特に注意が必要です。

固定残業代は、月5万円など決まった金額を支給する手法です。会社にもよりますが、固定残業代の会社は残業時間が長い傾向があります。残業代が固定金額となると、会社側は毎月の支出額を事前に知ることができ、資金繰り計画も立てやすくなります。しかも追加の人員を雇うことなく、社員を長時間働かせることもできてしまいます。つまり会社側に有利な手法です。

なお固定残業代となっていても、月30時間を超えた分は別途支給、などとする会社もあります。しかし入社してみると、30時間以上を申請しにくい職場の雰囲気や、上司の無言のプレッシャーがあるのが一般的です。

みなし労働時間制も、固定残業代と同じような考え方です。「社員は月平均20時間残業する」とみなして、固定の残業代を支給します。

管理者扱いのため残業代なしについては、自身が本当に部長・課長等の管理職につくときは問題ありません。ただし、部下が一人もいない課長につかせて、残業代なしにするという悪質な会社も存在します。残念ながら、IT業界や飲食業界で特に多い手法です。実態は求人票ではわかりませんが、転職エージェントから情報を聞き出すことで把握できます。

賞与も危険が潜んでいます。過去の実績金額・月数も重要ですが、IT業界で気をつけることは賞与の計算基準です。

私が最初に勤めた会社では、基本給×月数でした。一般的と思うかもしれませんが「基本給」という言葉に落とし穴がありました。基本給が月10万円と設定されていたのです。そしてスキル給など別名称で月5万円などが固定支給されていました。

つまり基本給10万円×2ヶ月であれば、賞与は20万円にしかなりません。社会保険や所得税などを引かれれば手取りはもっと少なくなります。かなり悪質な例ですが、IT業界ではまだまだこのような会社が存在します。

ただし賞与の計算基準は、求人票には一般的に載っていません。ここは転職エージェントに登録・質問すれば教えてもらえますので、積極的にエージェントを活用していくことをオススメします。

企業ホームページ

求人票からも多くの情報が手に入りますが、上流工程を目指す人は企業ホームページを重視すべきです。

下請けか元請けか、上流工程に携われる機会がどのくらいあるかなど、ホームページからある程度読み取れるからです。

主要取引先

まず見るべきは、企業概要の「主要取引先」の欄です。

主要取引先に富士通、NEC、IBMなどのSIerや、システム会社が記載されている場合、下請け会社である可能性が高くなります。

※企業によっては主要取引先を開示していないところもあります。その場合は転職エージェントに確認すれば分かることもあります。

人材派遣許認可番号

人材派遣許認可番号というものが掲載されている場合、SIerや客先に常駐となる可能性があります。常駐の場合、よほど常駐先に理解がないかぎり、上流工程に携われる機会が減ってしまいます。

自社開発ソフトウェアの有無

自社開発・販売しているソフトウェアやパッケージがある会社は、元請け会社の可能性があります。また自社ソフトウェアに携われれば、要件定義などの上流工程にも携われます。

ただし下請け主体の会社が、自社開発ソフトウェアを作っていることもあります。数人の社員のみ関わっていて、残りの大多数は客先常駐というケースです。

そのソフトウェアがどのくらい認知されているか、導入実績は何社くらいあるか、Google検索や企業ホームページなどでチェックしてください。もしほとんど取り上げられていない、導入実績企業が見知らぬ会社ばかりであれば、上流工程を目指すうえでは避けたほうがいいかもしれません。

転職エージェントを活用した情報収集

求人票や企業ホームページだけでも見るべきポイントはいろいろあります。

時間がかかりすぎる、求人票では分からない賞与実績などはどう情報収集すべきか、などと思われたかもしれません。

情報収集を効率的に、かつ精度高く行いたい人は、転職エージェントの力を活用するのも手です。転職エージェントは求人票やホームページだけでは分からない情報を多数保持しています。

特に上流工程を目指す人は、未経験領域への転職で知らないことが多くあります。転職エージェントを活用して情報収集を行うことで、企業の実態を把握でき、目指すべき企業を明確にしていけるでしょう。

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